2019/03/27 Vol.3492/2


 

今年の最初を飾る1月2日号「座禅と写経とフレディ・マーキュリーから生まれた絵」で特集、東京ドームシティでの「バッドアート展」都築響一コレクション・コーナーでも観客を震撼させた、名古屋のバッドアート・キング柿本英雄さん。なんと昨日(3月26日)から銀座・長谷川画廊にて初の東京展を開催中です! 会期、わずか6日間。これは万難を排して観に行っていただかないと! 以下、まずは柿本さんからのご挨拶をどうぞ。

 


展示会場にて。新作を含めたおよそ50点が展示されている。

 

東京銀附・柿本英雄【法眼】展開催のお知らせ

謹啓
余寒なお厳しく、 朝の寝起きに苦労致しますが、 皆様におきましては、ご清栄のことと存じます。
この度、 平成最後の年におきまして、 長谷川画廊様で、 柿本英雄【法眼】展を開催させていただ<運びとなりました。 正直、私は、絵画の事は、 分かりませんし、 絵画の関係者のことも知りません。
しかし、大衆法廷、世間の方には喜びを与えていると自負はしております。
祖父の命日、 非業の戦死いたしました伯父の月命日にこのような事が開催されるのは、 特別な供養と存じております。
もし、お時間があり、ご興味のある方は御高覧にいらしていただければありがたく存じます。 人物、動物、風景、花絵等がオールラウンダーです。ポストカードの販売も行う予定であります。世間でいう画家で無いのも自覚しております。 しがらみはご遠慮いたします。
私は、本音を言う性格のため、 恐らく、 多くの方は、私をご理解できないでしょう。
ただ、 メディアに取り上げられ、 ネットに上がる人物であることは明らかです。
また、 南海グループ、 潮岬観光タワー、 ヤマダ電機テックランド名古屋港店等多くに私の絵が飾られているのも事実です。 先に述べたとおり、ご興味があれば、ご高覧に足をお運びください。 ただ、画家のことも知りませんし、 特に知識もございません。
Queen
のフレディマーキュリーの大ファンの人間で、臨済宗道号を持つ者であります。
季節柄、 お身体をご自愛ください。
ボキャブラリーの貧しさ、言葉足らずはご容赦ください。

敬白

 

 

前回の記事で、こんなふうに柿本さんのことを書いた――

 

たった2年間という時間で、これほどのペースで生み出され続ける柿本さんの絵を、周囲の人間や、地元の柿本ファンがどう見ているのかはわからない。ご本人が言う「ゴッホ、ピカソ、セザンヌ、モネ」でないことは確かだし、独学2年というキャリアの技術的な上手下手をジャッジしても意味はない。ただ、ここには「描くこと」への爆発的な喜びがある。柿本さんを取り巻く人々にも、その喜びがそのまま感染しているのであって、それは技術ともコンセプトともまったく別次元の価値であり魅力なのだろう。

苦しみながら描く画家がいるいっぽうで、こんなふうに「描いてるときだけは苦しみを忘れられる」画家がいる。そういう表現のありかたはすごく貴いものだと思うけれど、それはもちろん美術史の文脈でも、美術業界の文脈でもなくて、街場に生きる絵として僕らのそばにありつづけるものなのかもしれない。

 

 

1週間足らずの会期で、銀座といっても貸し画廊。そういうのをバカにするひとはバカにすればいい。でも、税金使って上から目線の巨大美術館にはぜったい見つからない、ナマのエネルギーがこういうところで息づいていることだけは確かなのだ。

 

 

柿本英雄【法眼】展
2019
 半分青い画家の色の絵日記
~祖父、伯父の命日に捧ぐ~ Queen&フレディ・マーキュリー、座禅、写経から、誕生の絵

3
26日(火)~31日(日)11:0019:00(最終日は17:00まで)
@銀座長谷川画廊
https://art-gallery-hasegawa.jimdo.com/
(ヴァニラ画廊のすぐそばです!)

毎日、ポストカードのプレゼントあり!

柿本英雄・公式サイト:http://www.kakimoto-hideo.com/

 

[柿本英雄東京展・誌上プレビュー]