2021/10/06号 Vol.471(2/2)



先週日曜日はロードサイダーズにはもうおなじみ、日本屈指のバッドアーティスト!名古屋の柿本英雄さんの個展に伺いました。場所は銀座の小さなギャラリ-。最終日に駆け込んだので、床には搬出準備で段ボール箱が並んでいましたが、いつものとおりの圧縮展示! 壁面すべて2段掛けの日展方式! 入口に並んでいるポストカードも40種類以上! 一枚一枚の出来がどうこうという前に、そのエネルギーのほとばしりに圧倒されます(柿本さんについては2019年01月02日号「座禅と写経とフレディ・マーキュリーから生まれた絵――柿本英雄展を見て」を参照!)。


会場風景


入口脇のポストカード・コーナーには、テーブルに並びきらない絵はがきを段ボール箱の上にまで陳列


床に置かれたラジカセからは、柿本さんのテーマ・ミュージックであるクイーンがノンストップ・リプレイ


柿本英雄さん












「サマーツアー ~夏の喜び!」2020年


「青い珊瑚礁~優しい目をしてみないで、涙がこぼれてきちゃうの!」
柿本さんにとって歌は大事なインスピレーション源だ。しかし松田聖子の歌声と、この画面のギャップ!


今回初出展という「ムーンライト・サーファー」シリーズの一枚と


「ムーンライト・サーファー ~涙は流さない」2020年
タイトルはもちろん石川セリの名曲から!


「ムーンライト・サーファー ~涙は流さない。一緒に波に乗るの!」2019年


「アンダルシアに憧れて~バラをくわえて踊るカルメン」2021年


「愛猫ニャー ~安らかに」2020年


「愛しいドン君~哀、生命の愛♪」2019年


「ヨーキーを抱く女」2017年

たぶん、多くの美術愛好家にとっては、鼻で笑って通りすぎるシロウト貸し画廊展なのでしょうが、これだけの量の作品が発するパワーに押しつぶされそうな空間にいるだけで……だれもついてこない(これない)まま、いかなるブレとも無縁の人生をひとり歩む、その貴さをひしひしと実感できるのでした。


一回の展覧会で、これだけの種類のポストカードを制作!